東洋医学の考え

一人一人に合わせた「オーダーメードの治療」

東洋医学は個人個人の体質、その時の身体の調子や病の状態に合わせて治療を行います。一人一人に合わせた「オーダーメードの治療」とでも言えばピンとくるかもしれません。

ここでひとつの症状を訴えていると仮定します。(例えば腰が痛いとします。)この腰が痛いという現象をどう捉えるか?「腰椎の○番目の辺りに炎症がある。」といった具合の現代医学的な捉え方も勿論成り立ちます。その炎症を抑えるといった治療方針が成り立つ訳です。

東洋医学ではその他の要素にも着目します。体が冷えるための腰痛か、疲労のための腰痛か、どういった姿勢がつらいか、内臓の影響はどうか・・・etc.
同じ「腰椎○番の炎症」でもこういった要素の影響でその質は全く違ってきます。自ずから治療も違ってくるのです。

東洋医学の診断では一番つらい症状(主訴)と同時に、主訴にかかわる「その他の要素」を大変重視します。その症状を直接的・間接的に引き起こしている「その他の要素」も一緒に改善していかなければ根本的な治療にはならないのからです。
たまに「腰の治療なのに何で手に鍼をするのですか?」「何で関係のない症状まで根掘り葉掘り聞くのですか?(腰だけやってほしいのに・・)」「何でしょっちゅう脈をみるのですか?」といった質問を受けるのですが、こういった理由からなのです。体全部におこる全ての変化を脈診などで把握しながら全身の治療を進めているのです。

東洋医学と現代医学の違い

患者さんの話を伺っていると、殆どの方は「病院では何ともないと言われた」「たいした事ないといわれた」と言います。・・・御本人の苦痛は大変強いにもかかわらず、です。
「検査に異常がでない以上手の施しようがない、こういうのは一生治らない。」と、いともアッサリ言われ大変なショックを受けてから鍼治療に救いを求めていらっしゃる方も少なくありません。この様なケ―スでも、鍼治療などの東洋医学を受けたら簡単に治ってしまったという事例は以外と沢山あります。勿論、現代医学にしか治せない病気も沢山ありますし東洋医学でも現代医学でも残念ながらどうしようもないケースもあるのですが・・。

東洋医学は現代医学と違う角度から人体をみつめます

現代医学はまず検査等で病気の原因を徹底的に探ります。病変部位、原因がわかると病名が確定し、そこで初めて治療方針が決定されます。例えば、あらゆる薬を服用しているにもかかわらず激しい頭痛が続き、吐き気までもよおしているとします。CT、MRI等で例えば「脳のクモ膜という脳を包む膜の中にある血管に異常がある、出血がある」と頭痛の原因・病変部位が確認されれば「クモ膜下出血」と言う病名が確定し、ここではじめて手術、投薬等の治療方針が決定されるのです。大変合理的で確実な診断法です。

しかし、現代医学の検査法で異常の範疇にないケースの場合、ありとあらゆる検査を行ってもどこにも異常が見当たらない、原因がわからない時は、「なんともありません」」「気のせいです」と言われてしまう場合もあるのです。・・・激しい頭痛、吐き気が続いているにもかかわらずです。
「こんなに辛いのになんでもないわけがないだろ!」と釈然としない思いを抱えたまま一時凌ぎの効果しか期待できない薬を飲み続けるしかない方も現実には沢山いらっしゃいます。一方、我々の行っている鍼治療などの東洋医学は、病気の直接の原因よりも体に起こるありとあらゆる現象に着目します。

病因から起こる異常は、顔色、声の調子、皮膚の硬さ、体温、そして脈等々・・・体のありとあらゆるところにハッキリと違いが現れます。各々の現象を詳細に観察・分類し、その分類にはどこのツボを対比させたら効果があったと言う事実の何千年もの集大成が東洋医学です。

ですから、直接の原因がわからなくても分類はできるし治療方針も立つのです。(この患者さんの情報を分類し治療方針をたてる過程を「証をたてる」といい「証」にしたがって治療することを「随証治療」と言います。)

また、効果があったという事実の集大成ですから効果があるのは当然のはずで、であればこそ時代を越えてこの科学全盛の現代ですら多くの人々から支持されているわけです。

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